ライン川

ライン川

 ライン川は、スイスに源を発し北海に注ぐ、全長1,320キロメートル(日本最長の信濃川の約3.6倍)の大河です. 山から急流となってすぐに海に注ぎ込む日本の河川と違い、時間をかけてゆっくりと流れる大陸の河川は、長時間、陸地と接触するため、その中に溶かし込む物質の量も多くなります.
 私たち日本人には「ローレライ」や「ライン下り」などによって親しんできたイメージしかありませんが、ドイツ人の抱くラインの姿は、流域に住む人々にとって貴重な水源であるばかりでなく、交通の大動脈として欧州の歴史を見届けてきた大きな存在といっても過言ではありません.
 ラインラント・ファルツ州は父なる川ラインの中流域をカバーしており、リューデスハイムからコブレンツにかけての両岸には数々の古城が点在しています.この流域の渓谷美が十八世紀末に発見されて以来、多くの旅人を魅了してきました. 古城の見所がもっとも集中しているのは、リューデスハイムとザンクト・ゴアールの間のおよそ30キロメートルです.遊覧船の船上から、列車の窓から、ライン川の丘の上の城、それに斜面を埋め尽くすブドウ畑が織り成す谷間の風景をぜひ堪能してください.

 


 

 ローレライ
 ローレライ伝説は日本でも有名です. ローレライが歌を歌って、船を迷わせて沈めてしまうというものですが、ここを通る船の事故があまりにも多いために生まれた伝説です. しかし、実際にここを通ってみても、流れはずいぶん穏やかで、昔、ここが難所だったというのが信じられないくらいです. このローレライの近くには、水深が浅いのか、ボコボコと岩の突き出ているところがあり、その岩には『7人の若い娘』という名前がつけられています. おそらく、そこで岩にぶつかった船は、船底に穴でもあけて、ローレライに激突するという悲劇を生んだのでしょう. 岩壁の少し先にはローレライをイメージした女性の銅像があります.

 
「ローレライ」(ハイネ 1823年作)
わたしには分からない、 こんなに悲しいのがなにを意味するのか;昔からある言い伝えが、わたしのこころから消えない.
かぜは涼しく日も暮れてゆく、 そしてラインは静かに流れている;やまのいただきが入り日にあかく映えている.
あのうえにこのうえなく美しい乙女がみごとな出で立ちで座している、
かの女の黄金の装身具がきらめく、かの女は黄金の髪を梳いている.
かの女は黄金の櫛で梳きながらうたを歌っている;
うたには妙なる、おそろしい旋律がある.
うたには船に乗った漁師を激しい悲しみで襲う;
かれの目には岩礁は見えない、ただうえのいただきが見えるだけ.
さいごに漁師は小舟もろとも波に呑み込まれてしまうのだろう、
これはローレライがかの女のうたとともに為したわざ.


リューデスハイム
古代ローマ時代にぶどう栽培が始まり、現在はドイツを代表する白ワイン産地として知られるラインガウ地方の中心地.ワイン酒場が集まるつぐみ横丁は、行き交う観光客で深夜まで賑やかです.

モーゼル川沿いのワイン畑

 
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